スマホのカメラレンズの数は多い方がよいの?

“近年のスマホは、カマラが複数搭載されている機種が大半を占めており、カメラレンズが多い方がよい!という風潮があります。ここではカメラのデュアルレンズ、トリプルレンズ、クアッドレンズについてまとめてみましょう。
【スマホの背面カメラの機能とは?】
デジタル方式のカメラでは、レンズを通じて取り入れた光をセンサーで検知して画像化します。この基本的な仕組みは、スマートフォンやタブレットのカメラもデジタル一眼レフカメラも同じです。デジタル一眼レフとスマホのカメラでは、このセンサーのサイズが異なり、最新鋭のデジタル一眼レフのセンサーは一辺あたり数十ミリ程度ですが、スマホのカメラセンサーはそれよりももっと小さいのです。
つまりセンサーのサイズが大きければ大きいほど、取り込める光が大きくなり、データやディテールのレベルが変わってきます。そこでその弱点を改善するために、スマホカメラでは複数のカメラが搭載されるようになってきたのです。
【デュアルレンズカメラとは?】
デュアルレンズのカメラを最初に搭載したのは台湾HTC製の「OneM8」で2014年のことでした。その後、中国Huaweiが2016年に「P9」を発売してから、その機能は世界中に広まっていきます。
「P9」が搭載しているデュアルレンズは、1つがRGBセンサー用、もう1つがモノクロセンサー用。モノクロセンサーとは、色を扱わない分ディテールをはるかに精緻に捉えられると言われています。2つのセンサーがそれぞれ記録した情報を正確に合成して、精度の高い画像に仕上げていくのです。デュアルレンズを搭載したカメラでは本格的なポートレート写真を撮影することができ、メインのレンズとは違ったスタイルの写真にも対応できます。
【トリプルレンズカメラとは?】
デュアルレンズを世界に広めたのは中国のHuaweiでしたが、トリプルレンズを広めたのも同じくHuaweiでした。「P20 Pro」のトリプルレンズは、従来のデュアルレンズ構成の強みを引き継ぎつつ、ズームをはじめとする弱点を対処した機種。4000万画素のメインセンサーの他、2000万画素のモノクロセンサー、さらに800万画素の望遠レンズ用センサーを組み合わせています。この構成によって「P20 Pro」は、最大5倍のハイブリッドズームに対応でき、当時のデュアルレンズカメラの2倍ズームを大きく上回っていました。
その後他社では、トリプルレンズの構成を変えて、標準レンズ、広角レンズ、望遠レンズという組み合わせするところもあり、種類の異なる写真や動画撮影ができる機能を実現していったのです。
【クアッドレンズカメラとは?】
クアッドレンズカメラは4つのカメラが搭載されたスマホです。トリプルレンズカメラに加えて、超広角のレンズを搭載しているメーカーが多いでしょう。望遠レンズを省いた機種、広角レンズをメインにした機種、マクロレンズを搭載した機種などもあります。
【カメラレンズが多ければ多い方がよいわけではない!撮る写真によって必要となるカメラレンズは異なる!】
一般論としては、レンズが多ければ多い方がよいというイメージが強いでしょう。しかしレンズが多ければ必ずしもよいというわけではありません。自分が撮影したい写真や動画の方向性に沿ったカメラレンズを備えていることが重要です。
例えば高倍率のズームをしたいのであれば、超広角レンズを搭載して広角写真に全力を注いでいるクアッドレンズカメラのスマホよりも、望遠レンズが付いたトリプルレンズカメラの方がおすすめです。大切なのは「レンズの数」ではなく、自分がどのような写真を撮りたいか?によるでしょう。”